日本漢文の世界

 

月ヶ瀬梅渓(月瀬記勝)








梅谿遊記六解説

月ヶ瀬梅渓(桃香野附近) 日本漢文の世界 kambun.jp
桃香野附近

 舟は月ヶ瀬の西の端である桃香野(拙堂先生の表記では「桃野」)へと向かいます。桃香野へ向かう途中、岸の上に「烏帽子岩」という人が烏帽子をかぶって立っているような形の岩が見えたと書かれています。しかし、現在では烏帽子岩がどの岩のことであり、どこにあったのか等が分からなくなっています。当時とは地形も変わっており、ダム湖に水没した可能性もあります。(この項は月ヶ瀬観光協会の御教示によります。)

『月瀨記勝』乾巻の図版 日本漢文の世界 kambun.jp
風景図4

[題字]遠嶺人家
[訓読]遠嶺(ゑんれい)人家(じんか)
[現代語訳]遠い山に人家が点在する。

 当時の桃香野は一面の梅花の中に萱葺きの家が見え隠れし、まるで雲の中の宮殿のような幻想的な雰囲気を漂わせていました。稲葉長輝氏によると、桃香野の地は「急坂、1キロ余を隔たる谷間に各戸点在、村中は徒歩で登り下りする。荷は肩で運ぶ不便な所であった」(『歴史散歩月ヶ瀬梅林』182ページ)とのことです。住民にとっては不便な、このような地形が、すばらしい景観を生み出していたのです。
 五月のさつきつつじの花がすばらしく、花の色が映えて川の水が真っ赤に染まったように見えるほどなので、川の名が「躑躅川(さつきがわ)」と呼ばれていたことが書かれています。ただし、現在は高山ダムのダム湖の一部となり、名称も「名張川」になっています。

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月ヶ瀬梅渓 梅爛漫の里


2019年5月2日公開。

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