日本漢文の世界

 

赤目四十八滝(観瀑図誌)








琵琶瀑語釈

珠簾(しゆれん)
 たますだれ。「珠箔(しゅはく)」ともいう。

紆餘(うよ)
 まがりくねっている様子。

混混(こんこん)
 水が豊かに流れゆく様子。「滾滾(こんこん)」とも書く。

銀河(ぎんが)
 李白の『望廬山瀑布』の詩に、「飛流直下三千尺、疑是銀河落九天」とあるのに基づき、勢いよく流れ落ちる滝を銀河(天の川)に譬える。

東澗(とうかん)
 東の谷川。「荷担滝」で、「落合」にて東と南の谷川が合流して荷担滝へ流れ込んでいるとの記事がある。ここでは、東の谷川に沿って上流へと移動している。

澗底(かんてい)
 川底。

(かはら)
 敷き瓦。

蹙褶(しゆくしふ)
 着物などにできる襞(ひだ)のこと。「襞褶(へきしゅう)」に同じ。

階級(かいきふ)
 階段のこと。階段状の川底をもつこの部分は、現在「雛段滝(ひなだんたき)」の名で親しまれている。

襞襀(へきせき)
 着物などにできる襞(ひだ)。「襞褶」に同じ。

闇潭(くらぶち)
 この淵に注ぐ滝には当時名前が無かったが、現在では「琴滝」と呼ばれている。「くらぶち」の読みは、豊永徳之助氏の訓訳に従った。

(かか)げる
 着物の裾を濡れないように持ち上げること。

奔激(ほんげき)
 勢いよくほとばしる。

緩注(くわんちう)
 ちょろちょろとそそぎ落ちる。

淙然(そうぜん)
 さらさら(ざあざあ)と水が流れる様子。

(かめ)(くつが)へす
 「建瓴(けんぺい)」とは、高いところから甕(かめ)をひっくり返して中の水を下に落とすこと。いきおいよく流れていることを譬える。

奮迅(ふんじん)
 勢いよく奮い立つ様子。

絕幽(ぜついう)
 「幽絶」とも。人里はなれた場所の静かな様子。

清爽(せいさう)
 清らかですがすがしいこと。

豁開(くわつかい)
 「開豁」とも。ひろびろとした様子。

狀景(じやうけい)
 「情景」に同じ。景色のこと。

偉觀(ゐくわん)
 すばらしい眺め。

澗奧(かんあう)
 谷川の上流。

寂乎(せきこ)
 ひっそりとしてさびしい様子。

濃墨(ぢようぼく)
 濃い墨汁(のような色)。

四涯(しがい)
 四方の水際。滝壺の周りの水際のこと。

(した)()
 驚いて、ぽかんとする様子。

嶄立(ざんりつ)
 きり立つこと。

數仞(すうじん)
 仞(じん)は七尺に当たる。

頑青(ぐわんせい)老碧(らうへき)
 濃い青色。

鱗皴(りんしゆん)
 うろこのような岩の裂け目(亀裂)。

澗滣(かんしん)
 水際


2017年3月26日公開。

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