日本漢文の世界

 

赤目四十八滝(観瀑図誌)








靈蛇瀑語釈

全石(ぜんせき)
この語はどんな石を意味しているのか、現地に行くまで謎だった。現地に行くと、それは大きな一枚岩のことであることが分かった。まことに、赤目四十八滝の一帯は、山全体が大きな岩であるといっても過言ではなく、水は、切れ目のない大きな岩の上を流れている。

對峙(たいじ)
高くそびえ、向かい合って立っている。

(ぢやう)
約3メートル。

蔚蒼(うつさう)
鬱蒼(うっそう)に同じ。木が生い茂っている様子。

隱然(いんぜん)
まるで~のようだ。

城闕(じやうけつ)
城門にある物見やぐら。

(かん)
谷川の流れ。

臥石(ぐわせき)
横たわっている大岩。

距躍(きよやく)
とびこえる。

曲踊(きよくよう)
おどりあがる。

廣厚(くわうこう)
ひろくて、分厚い。

巖洞(がんどう)
岩で出来た洞穴。

迸激(はうげき)
水がほとばしること。

胸腹(きようふく)
中央部分のこと。

窿然(りゆうぜん)
中央部がもり上がっていること。

奇狀(きじやう)
世に珍しい景色。

(きく)()
明らかであること。

宏濶(くわうくわつ)
広いこと。

深碧(しんぺき)
濃い緑色。

卉木(きぼく)
草木。

轇轕(かうかつ)
乱れ混じる様。

楓樹(ふうじゆ)
かえで(もみじ)の木。

(かんがみ)
(水に)自分の姿を写して見る。

屹石(きつせき)
高くそばだつ石。

挺然(ていぜん)
ほかの石よりも、ひときわ高くそびえている様子。

魑魅(ちみ)
山林に住む怪物。

(きよ)
うずくまる。

虯蛟(きうかう)
竜の一種。みずち。角は無く、四足があり、大水を起こすという。

頭角(とうかく)
頭の先。

駭愕(がいがく)
おどろきあわてること。

朽木(きうぼく)
腐った木。

嶄然(ざんぜん)
高く突き出ている様。


2009年3月28日公開。

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