日本漢文の世界

 

赤目四十八滝(観瀑図誌)








不動瀑語釈

岩首(がんしゆ)
岩のてっぺん。

(どう)
ほらあな。

山壑(さんがく)
山と谷。

(がけ)
断崖。

飛沫(ひまつ)
飛び散る水しぶき。

衣袂(いべい)
ここでは衣服の意。

正方(せいはう)
正方形。ましかく。

窈瞑(えうめい)
暗くて底が見えない様子。

(かか)
着物のすそをかかげること。

巉岩(さんがん)
ごつごつした岩。

錯立(さくりつ)
ごろごろとしている。

灌木(くわんぼく)
低木。

(かん)
はめこむこと。

(かづら)
つた。

蠖屈(かわつくつ)
しゃくとり虫のようにかがまること。

杜詩(とし)
杜甫の詩。杜甫の「龍門閣」の詩句を次に引用している。

(ひと)たび()ちなば云云
杜甫の「龍門閣」の詩句。

(参考)龍門閣
清江下龍門
絶壁無尺土
長風駕高浪
浩浩自太古
危途中縈盤
仰望垂線縷
滑石欹誰鑿
浮梁嫋相拄
目眩隕雑花
頭風吹過雨
百年不敢料
一墜那得取
飽聞経瞿塘
足見度大庾
終身暦艱險
恐懼従此数

平夷(へいい)
たいらかである。

(つけたり)
わが国では、この字は一字で「つけたり」と読み、附録の意味で用いている。作者・梁洲先生が老人になってから再度不動滝を訪れ、若いときには滝つぼで泳いだが、今はとてもそんな勇気はないと、詩を詠んだもの。

壯心(さうしん)
勇気。

當年(たうねん)
少年または壮年の元気な年齢。


2009年3月28日公開。

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