日本漢文の世界

 

赤目四十八滝(観瀑図誌)








千手瀑解説

赤目四十八滝(千手滝) 日本漢文の世界 kambun.jp
千手滝(現在の霊蛇滝)。
橋の上は不動滝です。

 行者滝から少し登ったところにある滝が「千手滝」である、と『観瀑図誌』には書かれています。しかし、現地では行者滝の次の滝は「霊蛇滝」と表示されていました。

赤目四十八滝(千手滝) 日本漢文の世界 kambun.jp
千手滝(現在の霊蛇滝)。

観瀑図誌(千手滝の図) 日本漢文の世界 kambun.jp
千手滝の図。
上の写真と比べてください。

 私たちは、すぐに滝の名前が昔とは違うことに気づきました。『観瀑図誌』には、「千手滝」の上には「不動滝」があると書かれているのですが、この滝の上には、まさにその「不動滝」があるからです。

赤目四十八滝(千手滝の滝つぼ) 日本漢文の世界 kambun.jp
千手滝(現在の霊蛇滝)の滝つぼ。
たしかに他の滝の滝つぼよりも浅いです。

 滝つぼが36メートル四方とやや広く、しかも浅いという記述も、滝の高さは6メートルほどしかない緩やかな滝だという記述も、『観瀑図誌』の「千手滝」のとおりです。いつ、またどういういきさつで、この滝の名前が上流にある「霊蛇滝」(現在の「千手滝」)と入れ替わってしまったのかは、不明です。


2009年3月28日公開。

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