餘音
 余韻。あとあとまで残る響き。
漎然
 水のさらさら流れる音の形容。
半谷田可復
 野田半谷(1819~1898)は津藩士で書家。名は可復(よしふみ? よしなお?)、字は謙之、半谷は号。署名で姓を「田」としているのは修姓。
艱辛
 なやみや苦しみ。
千古
 大昔。
幽泉
 僻地の隠れた泉。
山靈
 山の神。
秘惜
 隠して人に見せないこと。
庚申
 「かのえ・さる」の年。ここでは万延元年(1860年)。
津城
 現在の三重県津市。津藩藤堂家の城下町であった。「城」は「城市」(まち)の意味。作者・梁洲は名張藤堂藩の家老として、本藩である津藩へ出張することも多かったのであろう。
樹隙
 樹木の間隙。
鬼視の遺
 日本のことわざ「鬼の目にも見のこし」を直訳したもの。鬼はここでは日本の「オニ」(「鬼」字の原義は「死者の魂」)。ことわざの意味は、「鬼のようにくまなく目を光らせていても、なお見逃すことがある」。
山口
 山の登り口。
澗隈
 谷川が湾曲している場所。
目搜
 用例の見当たらない語だが、文字通り「目で捜す」ということ。
蔚葱
 「鬱葱」「鬱蒼」などとも書く。草木がこんもりと茂ること。
寒梢
 葉が落ちてしまった木のこずえ。
槎枒
 木の枝がごつごつとしている様子。
礧石
 「礌石」とも。ここでは大石のこと。もとの意味は、戦時に高所から敵をめがけて落とす大石のこと。
狼藉
 あちこちに散乱している様子。
往往
 ところどころ。
艱步
 歩きにくいところを苦労して歩くこと。
積鐡
 他に用例を見いだせない語。堆積した砂鉄のことか。
舒遅
 ゆったりとしている様子。
蕭爽
 きよらかな様子。
鎔銀
 熱で溶けた状態の銀もしくは水銀のことか。
崖趾
 崖の土台の部分。
盤石
 大きな岩。
激揚
 激しく飛び散ること。
兩腋
 両わき。
冰骨
 元の意味は、水面に張る薄氷のことだが、ここでは「つらら」のことではないかと思われる。
地勢
 土地の状態。土地の全体的な様子。
流注
 流れそそぐこと。
石罅
 岩のすきま。
伏流
 地下の水流となること。
下風
 下位ということ。問題外。
頭風
 頭痛。
暑月
 夏。
狎る
 近よること。
面目
 もとは顔のことだが、景観や状態などのことにも使われる。
杉杪
 杉のこずえ。
崇高
 ここでは高さが高いこと。
土人
 土地の人。
鉅觀
 壮観。
標を建る
 標識を立てること。
拈出
 ひねり出す。
秋毫
 秋に生え変わる獣の毛のことで、小さなことにたとえる。
輿薪
 車に積んだまきのことで、大きなことにたとえる。
應接
 ものごとを処理すること。
耳目
 見聞。
2017年3月26日公開。
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