日本漢文の世界

 

赤目四十八滝(観瀑図誌)








柿窪潭現代語訳

観瀑図誌(翠巖電景) 日本漢文の世界 kambun.jp
緑色の岩に稲妻の光
呉策が隷書と古文で書いた

観瀑図誌(柿窪の画) 日本漢文の世界 kambun.jp
青谷生

観瀑図誌(柿窪の詩) 日本漢文の世界 kambun.jp
柿窪
たもとが潤うほどの水煙
岩をめぐれば、ほの暗く静かだ
きこりたちは皆帰ってしまい
風の音で木木がざわめいている
旭荘

 そこから数町(数百メートル)行くと、柿窪である。柿窪は左右が石の崖で覆われている。右側は、岩が垣根のように、30~40歩(40~50メートル)に渡って直列している。岩肌は、木を斧で割ったような様子である。左側は、変わった形の岩が入り混じっている。整った形のものは腰かけに似ており、そばだったものは椅子のようだ。上部が丸く、腰の部分が広いものは、僧侶が結跏趺坐しているようだ。上部が互いに抱き合ったような形の岩は、咲きかけの蓮の花に似ている。これらの岩は、みな、点点とまだらになっており、豹の模様のようであり、雨の跡がついているようにも見える。

赤目四十八滝(柿窪滝) 日本漢文の世界 kambun.jp
柿窪滝

 滝は崖の中央から降り注いでいる。滝より上流の流れは、二股に分かれ、滝の所でまた一つに合わさる。そして、三たび折れ曲がって、滝壺へと走り落ちて行く。滝壺は狭く、深緑の水を湛えている。両側の崖にはツバキが多い。右側の崖のツバキは、みな斜めに生えていて、滝壺を覆っている。滝の長さは2丈(約6メートル)にも満たない。それにもかかわらず、風趣はすばらしい。譬えていえば、背は低いが立ち居振る舞いが立派で、見どころある人物みたいなものだ。


2017年3月26日公開。

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