日本漢文の世界


採蕈記解説

 きのこ採りに託して、人生を考えた文章です。
 道を急いであくせくと探しても、きのこは一つも見つからず、疲れはてて休んでいると、後から悠然とやってきた木こりの爺さんは、カゴいっぱいにきのこを採っていました。
 人生あくせくと生きていても、結局何も手に入らず、むなしい人生になることも多い。いったいどちらの人生がいいのでしょうか。名利や富を得ることにあくせくすることか、それとも悠然として楽しみつつ多くのものを得ていくことか。
 木こりの爺さんの高笑いが、その答えです。

2001年8月5日公開。