日本漢文の世界


熊説語釈

西土(せいど)

わが国では中国を指す。

(われ)

「わが国」の意。

(がう)して・・と()

世間で・・と言われている。

(しりへ)

うしろ側。

跧伏(せんぷく)

はらばう。はいつくばる。

擒縛(きんばく)

生け捕りにして、しばり上げること。

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物などでつよく打つこと。「撃」と同義。

孟賁(まうほん)(ゆう)

孟賁は、中国の戦国時代、衛(齊ともいわれる)の国の勇者で、難行苦行をして強くなり、秦の武王の招きに応じて秦へ行った。生きた雄牛の角を引き抜くほどの猛者だったといわれている。『孟子』の公孫丑上、『説苑』、『呂氏春秋』などにその名が見える。非常な勇気があることを「孟賁之勇」という。

烏獲(うくわく)(ちから)

烏獲も戦国時代の大力士で、秦の武王のもとで高官になった旨が『史記』秦本紀第五の武王のところに見える。『孟子』の告子下にも名が見える。大力があることを「烏獲之力」という。

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「触」と同じで、ふれること。

山野(さんや)匹夫(ひつぷ)

いなかもの。 

茵褥(しとね)

しきもの。音は、「イン ジョク(yīn  rù)。」

藥餌(やくじ)

くすり。 

(くま)にすら云云

「熊之不若也(くまにすら、これ、しかざるなり)」は、「不若熊也(くまにしかざるなり)」を倒置して強調した形。「之」は便宜上「これ」と読むが、「これ」という意味はなく、倒置形であることを示す字。 

(ああ)

かなしみ傷んで発することば。音は「イ(yī)」。

2002年1月14日公開。