日本漢文の世界


晴吟雨哦集序語釈

晴吟(せいぎん)雨哦(うが)(しふ)

大江敬香の漢詩集。「晴吟雨哦」は、晴れても雨でも、その時時ノ感興を詩にして歌っているということで、風雅な命名である。しかし、この詩集が現存するかどうかは確認できていない。

耳目(じもく)

世間の人に先んじて、いろいろな事を見聞きし、他の人人にそれらを知らせる役目をもつ人。

散史(さんし)

民間の著述家の雅号に添えて、敬意を表す語。

名聲(めいせい)籍甚(せきじん)

名声が高いこと。ただし、この表現は、悪名の場合にも用いる。

遠邇(ゑんじ)

遠きも近きも。名声が遠くまで聞こえていること。

頃日(けいじつ)

最近。

郵寄(いうき)

郵送すること。

()

開いて。本や巻物などを開いてみること。「ひらいて」と訓読してもよい。

(けみ)

ここでは、丁寧に読むこと。

物候(ぶつこう)

草木や虫の音、渡り鳥など、季節に応じて変わる自然の様子。

世態(せたい)

世の中の情勢。

樂事(らくじ)苦境(くきやう)

楽しいことやつらいこと。

(ぐう)

ここでは、詩の中に盛り込むこと。

少小(せうせう)

年少(幼少)の時期。あとで出てくる「老大」の対語。

漫遊(まんいう)

気の向くままに各地を旅行すること。

鴻爪(こうさう)

昔、旅行したとき現地に残した痕跡。蘇軾の詩「和子由澠池懐旧詩」にある。鴻(おおとり)が雪の上に足跡を残し(これが「鴻爪」)、それを目印に来年も同じところへ来ようとするが、来年には雪が消えて分からなくなっている。同じように、昔旅行したときに現地でいろいろなことをしても、人情も町の姿も移り変わり、長くは残らない。

浪遊(らういう)

目的地もなくぶらぶらと旅すること。

萍水(へいすい)

もともとは知らなかったが偶然に知り合った人のこと。ここでは旅行中に知り合った人。水と浮き草がであうという比喩表現。

浪交(らうかう)

気ままな旅のなかで知り合い、交流した人たち。

海内(かいだい)

世界中ということだが、ここでは日本中という意味。

老大(らうだい)

年寄りになったということ。

往事(わうじ)

過ぎ去った昔のこと。

散脚(さんきやく)道人(だうじん)

行脚(あんぎゃ)僧のこと。自嘲のことば。

2008年9月21日公開。