日本漢文の世界


健歩語釈

健歩(けんぽ)

歩くのが達者なこと。健脚。

往反(わうはん)

往復すること。

大城(たいじやう)

江戸のこと。城は都の意。

鶴岡(つるがおか)

鎌倉の地名。

(まぐさか)

馬に飼い葉を与えること。

六郷(ろくがう)(わたし)

東海道にあった多摩川の渡し場。現在の川崎市にあった。

喝道(かつだう)

貴人が道を通るときの先払いのこと。

童髪(どうはつ)

こどもの、まだ結い上げていない垂らした髪。

傔從(けんじう)

おそばづきの家来。

驛吏(えきり)

宿場の役人。

振起(しんき)

(士風を)ふるいおこすこと。

鹽賊(えんぞく)

大塩平八郎の乱のこと。天保8年(1837年)、大塩は大阪で旗揚げしたが、すぐに鎮圧された。森鷗外の『大塩平八郎』を参照。

劫焼(けふせふ)

強奪して、放火すること。

(けい)

警備のこと。

行役(かうえき)

ここでは、旅行すること。

筐中(きやうちう)

筐とはかごのこと。旅行でつかう行李の中ということ。 

戎具(じうぐ)

武器。

(もたら)

持参すること。

行糧(かうりやう)

非常用の食料。 

坊閒(ばうかん)

世間、市中という意味。 

器械(きかい)

武器。

(のど)()ぎ云云

「のどもとすぎれば、あつさ忘れる」ということわざの漢訳。

平世(へいせい)

平和な世の中。

常情(じやうじやう)

ふつうの人情。 

(かく)

幕府が士風振興につとめていることを指す。

健徳(けんとく)

すこやかで立派な人格。

(あふ)

ここでは、「よる(依る)」という意味。つまり、天下は「健徳」が途絶えないことによってのみ成り立つ、ということ。

2002年1月14日公開。