日本漢文の世界

 

頼山陽の故居・山紫水明処訪問



4.山紫水明処の建物 (2)

頼山陽書斎「山紫水明処」入り口の引き戸
山紫水明処の入り口(南側)の引き戸

 山紫水明処の引き戸には、板ガラスがはめ込まれています。このガラスは後世になってからはめ込んだものではなく、山陽先生自身が外国製の「ギヤマン」を特注せられたものだそうです。

頼山陽書斎「山紫水明処」引き戸のギヤマン
引き戸のギヤマン(建物の東側=鴨川側)

 当時、わが国には、板ガラスを作成する技術がなく、板ガラスは外国製のものを取り寄せるしかなかったのです。値段は1枚が家一軒に相当するほど高価だったそうです。その貴重なギヤマンは、現在どこにでもある扁平な板ガラスとはちがい、少し波打ち、いささか曇っています。1枚は破損して取り替えてあるそうですが、それ以外は皆先生在世当時のまま だということです。

頼山陽書斎「山紫水明処」縁側の手すり
縁側の手すり(建物の東側=鴨川側)

頼山陽書斎「山紫水明処」縁側(外側)
縁側の手すり(外側から見たところ)

 縁側には手すりが取り付けられていますが、その趣向には中国趣味が感じられます。反対側(西側)の庭は純和風で、絶妙なコントラストです。



2007年12月30日公開。

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