日本漢文の世界

 

中江藤樹の講堂跡・藤樹書院訪問



37.エピローグ

致良知
中江藤樹書「致良知」

 令和4年の秋に日本漢文の勉強会で簡単な伝記を読んだときから、中江藤樹という人物が気になっていました。著作集を読んでも飽きたらず、翌令和5年の1月に、思い切って藤樹が活躍した場所である滋賀県高島市まで行ってみたのでした。
 400年も前の人物のことを調べるのに、現地へ行ったところで何が分かるのかと思われる方もいらっしゃるとおもいますが、やはり何かを調べたいときには、現地に出向いて調査することは基本中の基本です。
 現地へ行く前は藤樹という人物の輪郭さえつかめていなかったのですが、現地の記念館で、藤樹の書いたものの現物を見たり、記念館の学芸員や、藤樹書院のボランティアの方々からお話を聞いたりするうちに、なぜ藤樹が「近江聖人」として今も尊敬されているのか、少し分かったような気がしてきました。
 記念館で販売されている小学校の副読本『藤樹先生』を読むと、藤樹について令和の現在ではどのような内容が地元の子供たちに伝承されているのかを知ることができます。また、良知館では『中江藤樹自筆 心画孝経』が販売されていますが、これは藤樹自筆の孝経本文の影印本であり、「書は人なり」とて、その書から藤樹の人となりをうかがうことができます。
 これらの書籍は記念館や良知館にFAXで注文できるようですが、やはり現地で手に取ってみなければ、ぜひとも購入すべき書籍であることに気付かなかったと思います。
 そうした現地調査もさることながら、同世代のS氏との二人旅もなかなか楽しいものでした。S氏はこの小旅行のために、しまい込んでいた一眼レフのデジカメを久しぶりに持ち出してくれるなど、相当に気合いが入っていました。このレポートにもS氏の写真を随所に使わせてもらっています。私自身の写真は当時使用していたスマートフォン(iPhone12)で撮影したものです。



2024年12月7日公開。

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