「者」と似たはたらきをする詞に「所」があります。
「所」も結構助詞ですが、こちらのほうは前にくる詞ではなく、後ろに来る詞と一体化して名詞性短語になります。
「所」の場合は、後ろにくる詞は動詞または形容詞と決まっています。「所+動詞(形容詞)」の形になる短語を、「所字短語」と称しています。
所字短語は、所+動詞・形容詞で、賓語を取らない形が基本形です。
所+忍 → 所忍(がまんすること)
次の例句では、所字短語が有無句の賓語となっています。これが所字短語が句中で使用される、いちばん基本的な形式です。
【例句1】
彼其有所忍也。(蘇軾『留公論』)
(訓読)彼其れ忍ぶ所有る也。
(現代語訳)張良は、なんとか我慢することができた。
主語(主部) | 謂語(述部)=述賓短語 | |||
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<助詞> | 謂詞 | 賓語=所字短語 | <助詞> | |
彼 | <其> | 有 | 所忍 | <也>。 |
2007年11月11日公開。