「短語」(phrases)は、複合詞(compounds)よりもさらに詞同士の結びつきが自由な詞組(word groups)です。複合詞は二字のものが多いのに対して、短語は二字のものから非常に長いものまで、いろいろなものがあります。短語は一種の固定表現(formula=慣用語)である複合詞とは異なり、一種の自由表現(free expressions)であるといえます。
【例】
二字の複合詞(慣用語=熟語) 山麓
短語の例(自由表現) 泰山之麓
上の例では、「やまのふもと」を意味する「山麓」は二字の複合詞ですが、二つ目の「短語」は、「泰山」のふもとであることを、結構助詞「之」(日本語の「の」にあたる語)を使って表現したものです。
「短語」が自由表現(free expressions)だというのは、「泰山之麓」は、「富士山之麓」、「処女峰之麓」などと自由に書き換えることが可能なことからも分かります。
この「短語」は「複合詞」以上に重要です。「短語」が理解できれば、漢文は読めるといっても過言ではありません。
「短語」の成り立ちも、複合詞の場合と同じように、junction(組合式)とnexus(連系式)の二つがあります。
junctionの短語
(a)定中短語
(b)状中短語
(c)述賓短語
(d)双賓短語
(e)聯合短語
Nexusの短語
主謂短語
以下、これらを順番に解説します。
2007年7月16日公開。