複合語のでき方がjunctionとnexusの二つになっているのを確認してみましょう。
(a)junction定中式
「定中式」というのは、定語(連体修飾語)+中心詞(名詞)という形式です。
【例】
「高山」 高い(形容詞)→山(名詞)⇒名詞
「流水」 流れる(動詞)→水(名詞)⇒名詞
「賢母」 賢い(形容詞)→母(名詞)⇒名詞
(b)junction状中式
「状中式」は、状語(連用修飾語)+中心詞(動詞・形容詞)という形式です。
【例】状語+中心詞
「牛飲」 牛(名詞)→飲む(動詞)⇒動詞
「馬食」 馬(名詞)→食う(動詞)⇒動詞
「軽視」 軽く(形容詞)→見る(動詞)⇒動詞
「蔑視」 さげすむ(動詞)→見る(動詞)⇒動詞
【例】中心詞+状語(補語)※
「射殺」 射る(動詞)←(射た結果)殺す(動詞)⇒動詞
「戦死」 戦い(動詞)←(戦った結果)死ぬ(動詞)⇒動詞
「歩過」 歩く(動詞)←(歩いた過程で)過ぎる(動詞)⇒動詞
「堅好」 堅い(形容詞)←(堅さの程度は)良好である(形容詞)⇒形容詞
※「状語」は、中心詞よりも後に置かれる場合には、「補語」と呼ばれることがあります。結果を表す「結果補語」、過程を表す「趨向補語」、程度をあらわす「程度補語」に分類されますが、中心詞たる用言を修飾するという点から、状語の一種といえます。
(c)junction聨合式
聨合式の複合詞は、同じ種類の詞を並列したものです。並列された二つの詞は、両方とも中心詞です。
【例】
「父母」 父(名詞)+母(名詞)⇒名詞
「弱小」 弱く(形容詞)+小さい(形容詞)⇒形容詞
「清潔」 清く(形容詞)+潔い(形容詞)⇒形容詞
「促進」 促す(動詞)+進める(動詞)⇒動詞
「略奪」 略(「うばう」意味の動詞)+奪(動詞)⇒動詞
(d)junction述賓式
述賓式の複合詞は、動詞・形容詞とその目的語(賓語)が一体として使用されるもので、名詞となります。
【例】
「読書」(書を 読む)⇒名詞
「改葬」(はかの場所を かえる)⇒名詞
「受難」(災難に あう)⇒名詞
(e)nexus主謂式
「氷解」(氷が 解ける)⇒動詞
「日没」(太陽が 沈む)⇒名詞
このように主語+謂語の形式になっているものをネクサスといいます。ネクサスの複合詞には、上の例のようなものがあります。
2007年7月16日公開。