吳音は西暦400~600年ころの古い音で、地域的には中国の南方の音であろうといわれています。伝来の経路は、朝鮮経由説が有力ですが、はっきりした結論は出ていないようです。
朝鮮やベトナムでは、漢字音は原則として一つの音しか伝わっておりません。これは、漢字音の受容の過程で、新しい音が古い音に置き換えられていったからです。これに対し、日本漢字音には吳音という古い音が残っているのは、吳音が仏典の読誦に用いられていたからだといわれています。 現在でも、お経は吳音で読んでいます。
吳音は、日本語に最も溶け込んだ音であり、日本語化が著しいため、声調の推定は不可能とされています。
2004年11月3日公開。