日本漢文へのいざない

 

第一部 日本文化と漢字・漢文

第二章 漢文と中国語




(7)中国語(普通話)の声調

 中国語の説明をもう少し続けます。

 日本人が中国語を学習するときに、まず非常に苦労するのは「声調」です。「声調」というのは、漢字を読む上での声の調子ということです。日本語のアクセントは高低の二種類しかありませんが、中国の共通語である普通話(pŭ tōng huà)には、次の四つの声調があります。

 

 第一声(陰平) 高平調    (記号 ‾ )

 第二声(陽平) 上昇調    (記号 ╱ )

 第三声(上声) 低く抑える音 (記号 ﹀ )

 第四声(去声) 下降調    (記号 ╲ )

 

 中国語の教科書では、第一声、第二声、・・・という言い方が多いのですが、古文の声調では、平声(ヒョウショウ píng shēng)、上声(ジョウショウ shăng shēng)※、去声(キョショウ qù shēng)、入声(ニッショウ rù shēng)の四声(シセイ sì shēng)という言い方をしますので、第一声→陰平(yīn píng)、第二声→陽平(yáng píng)、第三声→上声(shăng shēng)、第四声→去声(qù shēng)という言い方に慣れてください。

※上声(shăng shēng)というときだけ「上」の字を「shăng」と上声に読む決まりになっています。後で説明する「異読」です。→(11)

 ひとつひとつの字にこの声調があるので、間違わないように覚えるのは、なかなかたいへんです。字音が同じでも、声調を間違えると、まったく違う語になってしまい、「南腔北調(nán qiāng bĕi diào)」(南北の方言が入り混じっている)といわれてしまいます。



2004年11月3日公開。

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