日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



山崎正薫(黙堂) 七言対句
やまざき・まさただ(もくどう)


1880-1962。熊本医科大学学長。

山崎正薫 七言対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

静定工夫忙裏試
和平気象怒中看
(七言対句)
 昭和乙亥孟夏 黙堂学人

[訓読]

静定(せいてい)工夫(くふう)は、忙裏(ぼうり)(こころ)みる
和平(わへい)気象(きしょう)は、怒中(どちゅう)()
 昭和(しょうわ)乙亥(いつがい)孟夏(もうか) 黙堂(もくどう)学人(がくじん)

[語釈]

静定(せいてい)
 激しい動揺を治め、安定させること。

工夫(くふう)
 能力。

忙裏(ぼうり)
 忙しい中。

和平(わへい)
 温和であること。

気象(きしょう)
 気性。気質。

乙亥(いつがい)
 「きのと・い」の年。昭和10年(1935年)。

孟夏(もうか)
 4月。

[訳]

動揺せず安定を保つ能力は、多忙な中でこそ、はじめて真価を測ることができる。
温和な気質は、怒っているときにこそ、はっきりとあらわれてくる。
  昭和10年4月 黙堂学人

2009年10月12日公開。2009年10月14日修正。2009年10月16日修正。

ホーム > 英傑の遺墨が語る日本の近代 > 作品リスト > 山崎正薫

ホーム > 英傑の遺墨が語る日本の近代 > 作品リスト > 山崎正薫