日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



山下奉文 七言対句
やました・ともゆき


1885-1946。陸軍大将。シンガポールを攻略。

山下奉文 七言対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

松風払塵月影動
細雨穿空水有痕
(七言対句)
  奉文書

[訓読]

松風(しょうふう)(ちり)(はら)って月影(げつえい)(うご)
細雨(さいう)(くう)穿(うが)って水痕(すいこん)()
  奉文(ともゆき)(しょ)

[語釈]

松風(しょうふう)
 松の梢に吹く風。松籟。
月影(げつえい)
 月の光。
(ちり)
 土ぼこり
細雨(さいう)
 霧雨。
(くう)穿(うが)
 空に穴をあけるような勢いで降ってくること。蘇軾の『念奴嬌』に「乱石穿空、驚濤拍岸」とある。
水痕(すいこん)
 乾かずに残っている水のあと。

[訳]

松の梢に吹く風に、土ぼこりが舞いあがり、月の光も揺れている。
霧雨が、空に穴をあけるように降り、水のあとが乾かずに残っている。
      奉文書く

2010年5月1日公開。

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