日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



菅原通敬(敬堂) 菅公遺訓
すがわら・みちよし(けいどう)


1869-1946。東洋拓殖会社総裁。枢密院顧問。

菅原通敬 菅公遺訓 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

凡国学所要、雖欲論渉古今究天人、其自非和魂漢才、不能闞其閫奥。
録菅公遺訓之一 敬堂

[訓読]

(およ)国学(こくがく)(よう)する(ところ)は、(ろん)古今(ここん)(わた)天人(てんじん)(きわ)めんと(ほっ)すと(いえど)も、()和魂(わこん)漢才(かんさい)(あら)ざる()りは、()閫奥(こんおう)(うかご)うこと(あた)わざらん。
菅公(かんこう)遺訓(いくん)(ひと)つを(ろく)す 敬堂(けいどう)

[語釈]

国学(こくがく)
 わが国固有の学問。

(よう)する(ところ)
 要点。

天人(てんじん)
 天意と人事。

和魂(わこん)漢才(かんさい)
 日本民族固有の精神を保ちながら、中国伝来の学問に通じること。

閫奥(こんおう)
 学問等の奥深いところにある真理。

[訳]

そもそも我が国固有の学問の要点をいうならば、たとい論点が古今にわたり、天意・人事をきわめようとしたとしても、「和魂漢才」、すなわち、大和魂を保ちながら中国の学問にも通じているのでなければ、学問の奥義を窺がい知ることはできないのである。
 菅原道真公の遺訓の一つを記した。敬堂

[出典]

『菅家遺誡』

2009年12月6日公開。

ホーム > 英傑の遺墨が語る日本の近代 > 作品リスト > 菅原通敬

ホーム > 英傑の遺墨が語る日本の近代 > 作品リスト > 菅原通敬