日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



重光葵(向陽) 五言対句(陶淵明詩)
しげみつ・まもる(こうよう)


1887-1957。東条内閣外相。鳩山内閣外相(戦後)。

重光葵 五言対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

酒能祛百慮
菊為制頽齢
(五言対句)
 癸未春 向陽

[訓読]

(さけ)()百慮(ひゃくりょ)(はら)
(きく)頽齢(たいれい)(せい)すと()
 癸未(きび)(はる) 向陽(こうよう)

[語釈]

百慮(ひゃくりょ)
 いろいろな心配。

頽齢(たいれい)
 老いぼれてしまうくらいの高齢。

癸未(きび)
 「みずのと・ひつじ」の年。昭和18年。

[訳]

酒は、いろいろな心配事を払い去ってくれる。
菊の花は、老いぼれの身を、ぼけないように抑えてくれる。
  昭和18年の春 向陽。

[出典]

陶淵明『九日閑居』詩より

2009年12月6日公開。

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