日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



斯波貞吉 七言対句
しば・ていきち


1869-1939。東京大勢新聞社社長。衆議院議員。

斯波貞吉 七言対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

窓含西嶺千秋雪
門泊東呉万里船
    貞吉

[訓読]

(まど)には(ふく)西嶺(せいれい)千秋(せんしゅう)(ゆき)
(もん)には(はく)東呉(とうご)万里(ばんり)(ふね)
    貞吉(ていきち)

[語釈]

(まど)には(ふく)
 窓が額縁のように風景を切り取っていること。
西嶺(せいれい)
 中国の古都・成都の西南にそびえる雪山。
千秋(せんしゅう)(ゆき)
 永久に消えない雪。
東呉(とうご)
 東方の呉(江蘇省)。
万里(ばんり)
 杜甫の住んでいた成都の浣花草堂の前に、万里橋という船着き場があった。

[訳]

窓からは千秋の雪をいただいた西山が、額縁にはめこまれたように見えている。
門前の万里橋には、東呉からの船が停泊している。
      貞吉書く

[出典]

唐代の詩人・李白の詩『子夜呉歌』より

2010年5月1日公開。2010年5月6日修正。

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