日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



二条基弘 七言対句
にじょう・もとひろ


1859-1928。貴族院議員。宮中顧問官。

二条基弘 七言対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

一鳥帯烟帰別浦
数帆和雨下扁舟
(七言対句)
 正二位基弘

[訓読]

一鳥(いっちょう)(けむり)()びて別浦(べっぽ)(かえ)
数帆(すうはん)(あめ)()して扁舟(へんしゅう)(くだ)
 正二位(せいにい)基弘(もとひろ)

[語釈]

別浦(べっぽ)
 河口。川が海へ流れ込むところ。

扁舟(へんしゅう)
 小さな船。

[訳]

一羽の鳥がかすみの中を飛んできて河口へと帰ってゆく。
小さな帆掛け舟が何艘か雨に溶け込んで下ってゆく。
       正二位 基弘

2009年9月6日公開。2009年9月12日修正。

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