日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



増田義一(奎城) 座右銘
ますだ・ぎいち(けいじょう)


1869-1949。実業之日本社創立者。雑誌協会初代会長。

増田義一 座右銘 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

平静是養心
謙譲是保身
読書是広智
勤倹是治産
慎交是遠害
知足是享楽
  奎城学人

[訓読]

平静(へいせい)()(こころ)(やしな)い、
謙譲(けんじょう)()()(たも)ち、
読書(どくしょ)()()(ひろ)め、
勤倹(きんけん)()(さん)(おさ)め、
(まじわ)りを(つつし)むは()(がい)(とお)ざけ、
()るを()るは()(たの)しみを()く。
  奎城(けいじょう)学人(がくじん)

[語釈]

平静(へいせい)
 静かに落ち着いていること。

謙譲(けんじょう)
 人に対してへりくだること。

勤倹(きんけん)
 勤勉で倹約。つまり、しっかり働いて、無駄遣いをしないこと。

[訳]

静かに落ち着いていれば、心が豊かになり、
つつしみ譲る気持ちがあれば、身が破滅することはない。
読書をすれば、智恵が広がり、
仕事に精を出して倹約に努めれば、家業は発展する。
よき友人を選んで付き合えば、だまされる被害もなく、
足ることを知れば、生活は楽しくなる。
    奎城学人

2009年10月12日公開。

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