日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



菊池清(幽芳)
きくち・きよし(ゆうほう)


1870-1947。家庭小説作家。大阪毎日新聞取締役。

菊池幽芳 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

日独伊同盟
成るを祝して

時しも
  あき
瑞穂の
  秋を
  三国の
ちかひの
  花と
  菊は
さくらむ
皇紀二千六百年
秋十一月
幽芳

[読み方]

日独伊(にちどくい)同盟(どうめい)
()るを(しゅく)して
(とき)しも
  あき()
瑞穂(みずほ)
  (あき)
  三国(さんごく)
ちかひ(誓い)
  (はな)
  (きく)
()くらむ
皇紀(こうき)二千六百年(にせんろっぴゃくねん)
(あき)十一月(じゅういちがつ)
幽芳(ゆうほう)

[語釈]

瑞穂(みずほ)
 みずみずしい稲穂。
(きく)
 秋の花で、皇室の御紋となっている。
皇紀(こうき)二千六百年(にせんろっぴゃくねん)
 昭和15年(1940年)

[訳]

日独伊三国同盟の成立を祝して
時は秋、みずみずしい稲穂が実る秋に、三国の誓いの花とばかりに菊が咲き乱れているのであろう。
   昭和15年秋10月 幽芳

2010年9月12日公開。

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