日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



川島浪速(風外) 五言対句
かわしま・なにわ(ふうがい)


1865-1947。大陸浪人として満蒙独立運動を画策。

川島浪速 五言対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

清風拂明月
善行無徴迹
(五言対句)
 風外居士

[訓読]

清風(せいふう)明月(めいげつ)(はら)
善行(ぜんこう)(あと)(ちょう)する()
 風外(ふうがい)居士(こじ)

[語釈]

清風(せいふう)
 さわやかな風。

明月(めいげつ)
 晴れた日の明るい月。

(はら)
 曇りを払いのける。

(あと)
 痕跡。

(ちょう)
 手がかりを見つける。なお、「善行無徴迹」は、『老子』第二十七章の「善行無轍迹」(善行は轍迹(てっせき=わだちの跡)無し)のアレンジ。

[訳]

清らかな風は、明るい月の曇りを払いのける。
善い行いは、あとかたを残さず、人に知られないものだ。
   風外居士

2009年12月6日公開。2009年12月8日修正。

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