川崎善三郎(梅邨) 七言絶句(宋詩)
かわさき・ぜんざぶろう(ばいそん)
1860-1944。無外流剣道範士。
[解読]
雨過横塘水満堤(韻)
乱山高下路東西(韻)
一番桃李花開後
惟有青青草色斉(韻)
(七言絶句。平声斉韻)
癸酉晩秋 梅邨書
[訓読]
雨過ぎて横塘水堤に満つ
乱山高下路の東西
一番の桃李花開くの後
惟だ青青として草色斉しき有り
癸酉晩秋 梅邨書
[語釈]
横塘
中国にある有名な堤(堤防)の名。
桃李
桃とすもも。
癸酉
「みずのと・とり」の年。昭和8年。
[訳]
雨が上がると、横塘には水が満ちていた。
山山には高いものや低いものがあり、道は東西に通じている。
桃やすももの花が咲いた後には、
ただ青青とした草が広がるばかりだ。
昭和8年晩秋 梅邨書く
[出典]
宋代の詩人・曽鞏の『初夏』詩。
2009年10月12日公開。