日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



河田烈(文所) 七言対句
かわだ・いさお(ぶんしょ)
著作権継承調査中


1883-1963。佐藤一斎の後裔。日華経済協会会長。

河田烈 五言絶句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

清澄山寺暁
雨過圧軽埃(韻)
孤枕眠難就
鹿鳴入夢来(韻)
(五言絶句。平声灰韻)
 文所烈 併書

[訓読]

清澄(せいちょう)山寺(さんじ)(あかつき)
(あめ)()ぎて軽埃(けいあい)(あっ)
孤枕(こちん)(ねむ)りに()(がた)
鹿鳴(ろくめい)(ゆめ)()(きた)
 文所(ぶんしょ)(いさお) (なら)びに(しょ)

[語釈]

清澄(せいちょう)山寺(さんじ)
 千葉県天津小湊町清澄にある寺で、日蓮大聖人が御幼少の時に学問あそばされ、諸国遊学ののち立宗宣言をあそばされた場所。

軽埃(けいあい)
 軽塵に同じ。舞い立つほこり。

孤枕(こちん)
 独り寝の枕。

鹿鳴(ろくめい)
 鹿の鳴く声。

[訳]

清澄山寺に泊まった日の夜明け頃、
通り雨で舞いあがる塵埃もおさまった。
独り寝の夜は、なかなか眠ることもできず、
鹿の鳴く声が、夢の中まで入ってきた。
  文所・烈 詩作および書も

2009年12月6日公開。

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