日本漢文の世界

 

英傑の遺墨が語る日本の近代



井上馨(世外) 対句
いのうえ・かおる(せいがい)


1835-1915。蔵相、外相等。のち元老。

井上馨 対句 日本漢文の世界 kambun.jp

[解読]

雖敗局未嘗無勝勢
雖勝局未嘗無敗勢
        世外

[訓読]

敗局(はいきょく)(いえど)(いま)(かつ)勝勢(しょうせい)()きはあらず
勝局(しょうきょく)(いえど)(いま)(かつ)敗勢(はいせい)()きはあらず
        世外(せいがい)

[語釈]

敗局(はいきょく)
 囲碁や将棋で負けになること。

勝勢(しょうせい)
 勝ちそうな情勢。

勝局(しょうきょく)
 囲碁や将棋で勝つこと。

敗勢(はいせい)
 負けそうな情勢。

世外(せいがい)
 作者の雅号。

[訳]

囲碁や将棋で負けた勝負でも、勝ちそうな情勢がまったくないことはない。
また、勝った勝負でも、負けそうな情勢がまったくないことはない。
    世外

2009年3月28日公開。

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