後藤新平 対句(菜根譚)
ごとう・しんぺい
1857-1929。満鉄総裁。外相等。伯爵。
[解読]
善読書者方不落筌蹄
善観物者方不泥迹象
新平
※本文の中に「泥」と書くべきところを誤字を書いたため、誤字の右側に小さく点を打ち、下に「泥」と書き足して訂正している。
[訓読]
善く書を読む者は方に筌蹄に落ちず。
善く物を観る者は方に迹象に泥まず。
新平
[語釈]
筌蹄
本質に対する枝葉末節。ここでは、書物の内容(思想)に対する文字・言語の意。
迹象
物事の外見。
[訳]
良き読者は、書かれた言葉にこだわらず、ただちに書物の内容を理解する。
同様に、良き観察者は、物事の外見にとらわれず、その本質を見抜いてしまう。
[出典]
『菜根譚』
2009年3月28日公開。2009年6月17日・18日一部修正。