日本漢文の世界:本の紹介

書名 漢文学者総覧
副題  
シリーズ名  
著者 長沢 孝三(ながさわ こうぞう)編
出版社 汲古書院
出版年次 初版 昭和54年(1979年)
改訂版 平成23年(2011年)
ISBN 4-7629-1224-7
定価 20,000円
著者の紹介 長沢規矩也博士(1903-1980)は、わが国を代表する書誌学者で、内閣文庫の漢籍分類目録などを手がけられています。孝三氏(1942-)は先生の養子で、内閣文庫長等を歴任されました。
本の内容:

漢文学者総覧
漢文学者総覧

 本書の旧版は、わが国の漢学者4927名を一覧にした小型ハンドブックで、日本漢学に興味をもつ人には必携の書でした。改訂版では収録人数が6711名にまで増えました。また、版も大きめになり、活字も大きく見やすくなりました。版型の改善はさておき、収録人数の増加はまことに喜ぶべきことで、編者の努力に頭が下がる思いです。本書では、一人の学者についての記述はたった一行に圧縮されています。その一行に記述されるのは、(1)姓・号、(2)名、(3)通称、(4)字、(5)号、(6)生地、(7)歿年、(8)享年、(9)師名、(10)備考、の十項目です。
 例えば佐藤一斎(No.2805 203ページ)の記述は、次のようになっています。(項番は私が附したもので原本にはありません。本書には付録として項目名を印刷した栞がついており、これを各行の横にあてて使うようになっています。)

(1)佐藤 一斎、(2)信行-坦、(3)幾久蔵-捨蔵、(4)大道、(5)一斎・愛日楼・老吾軒・百之寮・風自寮・惟一斎・静修所・東暖楼・惟精廬、(6)江戸、(7)安政6、(8)88、(9)中井竹山・皆川淇園等、(10)文永次男・岩村侯儒-幕府儒官

 旧版に比べると、(5)号が拡充されています。もちろんこれだけでは情報としては不充分なので、さらに調べてみることになるのですが、見たことのない学者名が出てきたとき、まず本書を開くと、上記のような概要を一目で知ることができるのです。
 同じように画一的な形式で漢学者を列挙した本としては、『漢学者伝記及著述集覧』(小川貫道編、原版は昭和10年、関書院刊。東出版の復刻版がある。)がありますが、こちらに収めるのは約1300名なので、本書は著作一覧こそないものの、5倍以上の人名を集めてあるわけです。
 しかし、本書は旧版同様、江戸時代が中心で、明治以降では名前の載っていない人も依然として多いのです(当サイトの名家短文集の作者の中にも、本書に名が載っていない人もあります)。しかし、このような基礎資料が提供されていることは非常に重要です。私も本書には旧版のときから非常にお世話になってきました。更に充実した改訂版の出来は、旧版が長らく品切れとなっていたことを思えば、まことに慶賀すべきことです。ぜひとも座右に備えていただきたいと思います。

漢文学者総覧
漢文学者総覧
2003年7月20日公開。2012年11月3日修正。

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