日本漢文の世界:本の紹介

書名 明治漢詩文集
副題  
シリーズ名 明治文学全集62
著者 神田 喜一郎(編)
出版社 筑摩書房
出版年次 昭和58年(1983年)
平成25年(2013年)復刊
ISBN 4-480-10362-8
定価 7,500円
著者の紹介 編者(1897-1984)は、書誌学、東洋史、書道史、日本漢文などの分野で幅広い業績のある人です。台北大学教授、京都国立博物館長等を歴任。文学博士。全集(同朋社)があります。
本の内容:
明治文學全集 62 明治漢詩文集

 明治時代の漢詩・漢文を、編者が20年ちかい歳月をかけて蒐集した詩文集です。
 明治の漢文壇には、多くの作者が綺羅星のごとく輩出しましたが、その作品の多くは雑誌・新聞等に発表されたまま埋もれてしまっており、編者の蒐集作業は苦労の連続だったようです(編者後記)。
 本書は、明治漢詩集と明治漢文集の二編からなり、明治漢詩集は、詩人120人の作品656首を、明治漢文集は、文人36人の作品を一人ひとつずつ(いずれも天下の名文ばかり)集めてあります。すべての作品に書き下し文が付されており、それだけでも大変な労作です。明治の漢詩文作品集としては、現在のところ随一のものです。明治漢文集の内容を示しておきます。

   明治漢文集
 (1)林鶴梁   與小松生論出處書
 (2)重野成齋  故參議兼内務卿正三位勲一等贈右大臣從一位大久保公神道碑
 (3)川田甕江  故内閣顧問贈正二位木戸公神道碑
 (4)田邊蓮舟  書大久保甲東公遺墨後
 (5)中村敬宇  答井上巽軒書
 (6)岡松甕谷  與岡本監輔書
 (7)島田篁村  與黎蒓齋書
 (8)竹添井井  紀韓京之變
 (9)三島中洲  故長岡藩總督河井君碑
 (10)藤野海南 舊雨社記
 (11)鷲津毅堂 注春師傳
 (12)岡鹿門   請藩公奉敕入朝書
 (13)阪谷朗盧 高閒壯士碑
 (14)龜谷省軒 賣冰者言
 (15)蒲生褧亭 自由園雅集記
 (16)菊池三溪 市川白猿傳
 (17)依田學海 楽水亭記
 (18)信夫恕軒 阿萬傳
 (19)井上梧陰 與某丈人論宋學書
 (20)星野豊城 擬書足利學校藏宋槧文選後
 (21)館森袖海 姑蘇記游
 (22)小山春山 麗澤文社記
 (23)土屋鳳洲 王文評釋序
 (24)山根立庵 大變小變説
 (25)淺見飯峯 斧川温泉記
 (26)小牧櫻泉 東京帝國大學名譽教授從三位勲二等文學博士重野先生碑銘
 (27)日下勺水 重建金綺樓記
 (28)鹽谷青山 祭清國合肥李公文
 (29)中村櫻溪 竹仔湖觀櫻花記
 (30)内田遠湖 闇齋山崎先生詞堂碑
 (31)牧野藻洲 送本田種竹遊清國序
 (32)松平天行 小田原城墟賦
 (33)内藤湖南 高橋陸二先生賛一首有序
 (34)市村器堂 蘭城遺稾序
 (35)狩野君山 畫圖讃文跋
 (36)西村天囚 明治天皇誄辭


 巻末に、中村忠行氏作成になる、作者略歴と、雅号一覧があり、また三浦叶氏の『明治の漢文』などの資料を載せており、利用価値が非常に高くなっています。このサイトの作者小伝作成にも利用させていただいています。
 本書はどちらかというと、詩のほうに重点があり、文は一作家一文に限られていて、到底十分とはいえません。このサイトでは、僭越ながら本書の欠を少しでも補っていきたいと考えています。
 明治文学全集は、完結後まもなく絶版となったため、本書も入手がきわめて困難になっていましたが、2013年ついに復刊されました。名著を簡単に入手できるようになったことは、たいへん喜ばしいことです。

明治文學全集 62 明治漢詩文集
2001年9月9日公開。2013年1月5日一部修正。

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