日本漢文の世界


太田南畝語釈

遊戲(いうぎ)國歌(こくか)

狂歌のこと。大田南畝は有名な狂歌師。

滑稽(こつけい)詼謔(くわいぎやく)

「滑稽」も「詼謔」も、おもしろおかしくすること。

村老(そんらう)野嫗(やう)

田舎のじいさんばあさん。

蜀山(しよくざん)先生(せんせい)

蜀山人(しょくさんじん)というのは、大田南畝の別号。 

逸助(いつすけ)

下僕の名前。「いっすけ」と読むと思われる。

質愨(しつかく)朴魯(ぼくろ)

「質愨」も「朴魯」も、飾り気がなく、まじめなこと。 

本錢(ほんせん)

商売の元金。もとで。

(ひと)()

ひとがらのこと。

迂鈍(うどん)

のろまで、世情にうといこと。

折閲(せつえつ)

損をして売ること。

(れい)(したが)ひ云云

「またいつものように、無心に来たのに違いなかろう。」 

(やつがれ)

「奴(ド nú)」は、自己を指す謙譲語としても使用される。

剥落(はくらく)

はがれ落ちること。

敗紙(はいし)

反故(ほご)のこと。

糊補(こほ)

のりで貼ってつくろうこと。

几上(きじやう)

「几」はつくえ。つくえの上。 

書幅(しよふく)

文字を書いた掛け物のこと。この語は日本語(和製漢語)。

拜謝(はいしや)

うやうやしく礼を述べること。

門人(もんじん)

南畝の門人(弟子)。

奇思(きし)横逸(わういつ)

変わった趣向があふれている。

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南畝に、「先生の文章や詩を書いた紙を逸助がたくさんもっております。私もほしい。」と言いにいった。

子等(しら)

「子」は男子の尊称。きみたち。

(しもべ)

逸助のこと。「逸助に言って譲ってもらったよかろう。」「ボク」と読むと南畝自身のことのようなので、「しもべ」と読んでおく。

盂蘭盆(うらぼん)

仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)。7月15日。

(なう)

さいふ。嚢を傾けるとは、有り金をはたくこと。

罩紙燈(たうしとう)

「罩(タウ zhào)」とはカバー(おおい)のこと。「罩紙燈」は「ちょうちん」のこと。

(いた)

送り届けること。

疾書(しつしよ)

飛ぶように書きまくること。

(したが)ひて()けば云云

「随○○随△△」は、「○○すれば、それにしたがって、△△する」という意味。口をついて詩文が出てくれば、それをただちに書き付ける。

宿構(しゆくこう)

あらかじめ作りおいた詩文。

頃刻(けいこく)

またたく間に。

報單(はうたん)

ビラ(ちらし)のこと

洒落(しやらく)

「洒落(să luò)」とは、「自然でさっぱりした様子」というのが原義だが、ここでは日本語の「しゃれのめしている」という意味。

戲謔(ぎぎやく)

おもしろおかしく、ふざけること。

傳觀(でんくわん)

ビラをまわし読みしたこと。

遠近(ゑんきん)

遠くの人も近くの人も。

戲文字(ぎもんじ)

戯作(げざく)文学のこと。

一九(いつく)

『東海道中膝栗毛』で有名な十返舎一九(じっぺんしゃ・いっく、1765-1831)。

門者(もんしや)

門番のこと。

(えつ)(つう)

(名刺を)とりつぐこと。 

一賤士(いちせんし)

(身分の)いやしい男。待たされたので腹が立ち、南畝をさげすんで言った言葉。 

吾子(ごし)

きみ。相手を親しんで呼ぶ語。

(もてあそ)

ここでは、愚弄すること。 

(それがし)

自己を謙遜していう語。 

酒資(しゆし)

酒代(さかて)。 

一桐材(いちきりざい)

桐の材木。「桐」は音「トウ tóng」

造屐匠(ざうげきしやう)

げた屋。

2002年2月2日公開。