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頼山陽の故居・山紫水明処訪問



7.山紫水明処の庭 (1)

 山紫水明処の庭は、今日から見ればかなり広いものです。当時でも町中の家としては広いほうだったのではないでしょうか。

 「山紫水明処」で有料配布(500円)されている『史跡 頼山陽の書斎 山紫水明処』(工学博士 岡田孝男著)という小冊子に、庭を含めた山紫水明処の全体図が載っています。(同書10ページ)

頼山陽書斎「山紫水明処」庭の図
『史跡 頼山陽の書斎 山紫水明処』
(工学博士 岡田孝男著)
10ページの図

 庭は南北が6間、東西が12間ほどの広さで、多くの樹木があります。

頼山陽書斎「山紫水明処」庭の棗の木
棗の木(後ろ側)は、山陽先生の在世当時からあったそうです。

 西端にある棗(ナツメ)の木は山陽先生の在世当時からあったものだそうですが、そのほかの木については由来は分からないそうです。

頼山陽書斎「山紫水明処」庭の様子
庭にはたくさんの樹木が植えられています。
左の石積みは降り井の一部。

頼山陽書斎「山紫水明処」庭の「降り井」
これが「降り井」です。
大きな穴が掘られていて、その底に井戸があります。
穴の底へ降りて井戸の水を汲むのです。
井戸は、底にある四角い穴です。

 庭の真ん中にひときわ目を引く「降り井」があります。最初見たときは水の枯れた池かと思いましたが、実は大きな穴であり、底まで石段で降りて行けるようになって います。穴の底に四角い井戸があるのです。

頼山陽書斎「山紫水明処」庭の井戸
「降り井」の底にある井戸。

 この井戸は近年まで使用できたのですが、室戸台風後の河川改修の影響で枯れたとのことです。 ただ、この「降り井」は、山陽先生の在世当時からあったものではなく、先生没後に作られたものであるそうです。



2007年12月30日公開。

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